jyanjayakaの日記

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曲線座標系と座標変換について

極座標はしばしば

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こんな感じで描かれる。これを見ると確かに「曲線」座標系という感じがする。ただこれが曲線なのは、直交座標系を前提として、そこに極座標系を表現した結果である。

 

直交座標系の点が極座標系ではどの点に対応するか示すためのチャートである。

 

一方で、こういう曲線が実際に平面上に描かれていると考えることもできる。それは直交座標があまりにも当たり前すぎることから来るものである。

 

数学的形式の部分と物理的意味とを区別する必要がある。

 

抽象的に言えば、座標系とは空間の各点に対して座標を対応させるシステムのことである。このシステムそれ自身を考えるとき、つまりシステムが既に与えられていて、それを前提としてシステムそのものの性質を考察するしようとする時、我々は数学的にモノを見ている。

 

一方、そのシステムを具体的にどうやって構築するかを考えるとき、我々は物理的にモノを見ている。構築方法としては、既に知っているように空間に格子を描いたり、同心円を描いたりする。ただ数学はそういう「舞台裏」は知らないことになっている(というかそれらは考察の対象外)である。

 

加速度運動をする観測者は、別に空間に曲線を描いて座標系を設定しているわけではない。自分が使っているのは直交座標系だと思っている。(もちろん曲線を描いて座標系を設定してもいいが、普通そんなことはしない。)

 

それが曲線座標系だと言われるのは、それを別の観測者の座標系から見たときの話である。上で言う「チャート」を描いた時だ。

 

二人の観測者A,Bはどちらも大真面目に自分の座標系は直交座標だと思っているし、そこに間違いはない。

 

実際二人は座標系の設定方法(つまり物理的な視点)としては同じもの(空間に直交格子を描く)を使っている。問題になるのはそれらの間の座標変換を考えた時である。それが簡単な一次変換とならないことの一つの現れが、チャートにおける曲線座標と言える。

 

座標系の物理的設定方法と数学的な座標変換の話を混同してはいけない。

 

なぜ曲線座標系が曲線座標系と呼ばれるのかと言うと、それはその座標系の物理的設定方法が曲線を用いるからである。

 

空間が曲がっているということと、座標系の設定方法として曲線を使うということとは全く異なる話である。真っ直ぐな空間に曲がった座標系を描くことは別に全然可能である。