大数の法則
ある実験を繰り返し行なった時、得られる結果の平均値がある値に近づいてゆくことが、観察されている。例えばコイントスの実験を1万回も行えば、表の出た回数の平均値は1/2付近となる。ここまでは確率論は全く関係ないことに注意する。これは一つの事実であり、確率は関係ない。ここまでは実験を繰り返し行うと、結果の平均値がある値に近づいてゆくように見える、という事実を述べているに過ぎない。確率論がどう言おうとも、この事実を変えることは出来ない。*1
この経験的な事実を確率論の枠組みで理論的に裏付け、説明するのが、大数の法則である。これは別に特殊なことをやっているのではなく、他の科学理論でも一般に行われていることである。例えば物理学では原子論という枠組みを使って、気体持つ性質を説明する。現実に対して何かモデルを構築し、それによって現実を説明するという科学の基本姿勢は変わらない。要するに、確率論は偶然という物理現象(と呼ぶのは些か抵抗があるが)についての理論だと考えれば良い。*2
大数の法則
要は、
平均値は確率に収束する。