ガロア理論4
3乗根について
「3乗してAになる数」をAの3乗根と呼ぶ。
一般にこれは3つあって、その中の一つを我々が選んでと表すことになる。問題はを3つのうちどれにするか広く知られた基準が存在しないということだ。Aが実数であればをAの3乗根の中で実数のものとするというのが整合性の取れた自然な方法であるが、Aが実数でなければ、そのような方法は存在しない。
といってもこれはそこまで深刻な問題ではなく、こちらが勝手に決めていいのだから、場合によっては便利である。一度を決めた後はそれを変えないことだけを意識していれば良い。
また、これら三つを複素平面上で見てみると、
という関係のあることが分かる。ただしここでは複素平面上で120°回転を表す複素数である。*1
*1:代数の文脈で言えばは1の3乗根に他ならない。