古典的確率論と現代的確率論について
古典的確率論について
古典的確率論は確率を直感的に定義する:
この定義に従えば、原理的にはイベント数を「数える」ことで確率を計算することが出来る。古典的確率論で専ら興味があるのは個々の事象についての確率を求めるということである。(だから試験にはもってこいだ。「~の確率を求めよ」という問題が自然に出てくる。)
現代的確率論について
現代的確率論においては、確率は求めるものではなく、既に与えられているものと考えられている。そして、その上に何が築けるかに興味がある。
現代的確率論で言う確率とは、集合の「大きさ」を何らかの尺度(今の場合は「事象の起きやすさ)を元に与えるモノ=集合関数*1だと、非常に抽象化して捉えている。この視点に立つと、古典的確率論が扱う「確率」は、確率と呼ばれる集合関数を定義する一つの方法論を与えているに過ぎないことになる。実際、古典的確率は「全体に対する集合Aの割合」として集合Aの「大きさ」を測る。しかし一般には「割合」である必要はどこにもない。とは言っても、古典的確率論は現実世界に対する良いモデルを与えてくれるので、応用上役に立つ。